第9回日本脳神経外科認知症学会
会長 松村 明
筑波大学名誉教授
茨城県立医療大学名誉教授
いちはら病院・つくば頭痛センター長
この度、第9回日本脳神経外科認知症学会を主催させていただく事になり、堀理事長はじめ多くの方々に多大なるご支援をいただきましたことを感謝申し上げます。
認知症は高齢者になると最もcommonな疾患であり、比較的長期にわたって続く事になります。したがって早期診断・早期治療・早期介入が必要とされ、薬物治療、非薬物治療、さらには社会的なケアなど複雑な要素が多くあります。
最近ではアルツハイマー型認知症に対する抗体治療であるレカネマブ、ドナネマブの登場はアミロイドβ除去という画期的な効果をもたらす事で大きな期待がされていますが、特にARIAという副作用への対処については脳神経外科医が貢献できる部分が非常に大きく、アルツハイマー型認知症の治療に関わっていくことが求められています。
さらには脳血管障害、脳ドックなど脳神経外科医が取り組んでいる日常診療や研究などが認知症と深く関わっており、精神科、神経内科、老年科など認知症に関係の深い診療科との連携により、脳神経外科医が認知症診療に関わって行く事が期待されています。
「認知症」は多くの診療科、そして多職種や社会全体で取り組まなければならない課題であり、脳神経外科単独で何かできるものではありませんが、そのような中でも脳神経外科医がどのように貢献できるかを考える場となればと思い、今回のテーマを『脳神経外科がかかわる「認知症」の診断・治療・ケアまで』ということにいたしました。
認知症は多くの要素が絡んでおり、集中的に学ぶ事が効率的だと思われます。本学会をそのような機会と捉え、多くの脳神経外科の先生方に社会的にも大きな課題である認知症の臨床や研究にお役立てるような企画を設けております。
本学会は研究学園都市であるつくばで開催します。学会の折に一般公開されている研究所見学、さらには少し足を伸ばして頂いて日本百名山である筑波山、筑波山神社なども訪れていただければ幸いです。
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